クリニック名が変わりました ドクターの部屋 2024.01.09 今年は元旦に北陸地方に地震があり、被災された方々は、寒い中、大変な労苦に直面されていると思います。一刻も早い復旧・復興を心からお祈りいたします。さて1月4日からクリニック名が変わりました。開設以来約3年の「あそびと発達リハビリクリニック」が「あおぞらファミリークリニック こども整形外科センター」になります。旧クリニック名を気に入っていたのにと言っていただける患者様、家族様もおられ、申し訳なく思っております。ただ旧クリニック名は対象疾患がはっきりせず、「けがを診てもらえるとは思わなかった」「リハビリのみのクリニックと思っていた」などの声も多く聞かれました。 このたび組織改編があり、クリニック名を変更するにあたり、この施設をより正しく理解していただくため「こども整形外科センター」を名称に加えさせていただくことにいたしました。センターとなっていますが、スタッフや院内外設備、行う診療内容は今までと変わりません。「こどもの整形外科・リハビリテーションを笑顔とともに楽しく」の方針も継続します。けがを含めた一般小児整形医療、障がい児・者医療をさらに精進してレベルを高め、地域の皆様のお役に立てる施設になることができればと思っております。どうか1月からの「あおぞらファミリークリニック こども整形外科センター」をよろしくお願いいたします。 令和6年1月9日 センター長 服部 義 (続きを読む…) 子どものけが治療 ドクターの部屋 2022.08.22 当クリニックは小児整形疾患や障がいをお持ちのお子様の治療・リハビリテーションのみでなく、けがの治療にもあそびを利用して対応しています。 子どもは痛いところを触られるのをとても嫌がります。またそのような場合診察用ベッドに容易に寝てくれません。そこで診察室ベッドの天井に1~ 6番まで動物の絵が貼られており(ナースの部屋20210715ブログ参照)、こどもたちにはベッドに寝て、1から6番まで動物の名前を言ってもらいます。多くは言い終えるまで、足らなければ繰り返していると診察が終わっています。またけがの時、恐怖を感ずるような処置やギプス固定・切割などは、HPSが寄り添い、I pad にて動画音楽を聴いたり、ゲームをしながら行ったりします(ディストラクションといいます)。またギプス装具室にはスクリーンがあり、時間がかかる処置は映画を見ながらも可能です(あそびの部屋20210524ブログ参照)。HPSは子どもの年齢にあったディストラクションツールを準備しています。私自身は以前の病院より、ずいぶん処置がしやすくなったと実感しています。 ただ重要な前提があります。当クリニックではどんな診察・処置も家族(多くは母)とともに行なうことを原則にしています。どんなディストラクションも家族のスキンシップの安心感にはかなわないかもしれません。 令和4年8月22日 院長 服部 義 (続きを読む…) 2022年 ドクターの部屋 2022.01.11 新年明けましておめでとうございます。 年末はコロナが落ち着いていたので、通常の日常が少しずつ戻るのかと思っていたら、再びオミクロン株が猛威をふるいだしています。昨年は3月クリニックを開院以後コロナに振り回された年でした。感染に十分注意しながら、地域のこどもたちの外傷や整形外科疾患の診断・治療、障がい児・者の(リ)ハビリテーションを中心とした日常生活改善にむけた取り組みを行ってきました。おかげさまでコロナ禍ではありましたが、職員の努力もあり、クリニックのコンセプトである「こどもの整形・リハビリテーションをあそびとともに楽しく」は、来院することを楽しみにするこどもたちが増えてきていることを考えると、すこしずつ実を結んでいるのかなと思っています。ただ仕方がないとはいえ、楽しんでいるこどもたちの笑顔がマスクで隠れて見えない、また職員もそれにマスクなしの笑顔で応えられていないことは大変残念に思っています。この状況が今年は1日でも早く改善されることを心から祈っています。HPSの大森さんがクリニック内に開運神社を作りました。その絵馬にはこどもたちの2022年への思いが書かれています。コロナ終息のお願いが意外に多く、こどもたちも同じようにコロナに苦しんでいるんだと再認識しました。写真は不自由な手で一生懸命書いてくれたコロナ退散お願いの絵馬です。 2022年 通常の日常が1日も早くもどりますように。 2022年1月11日 院長 服部 義 (続きを読む…) コロナとこどもたち ドクターの部屋 2021.09.14 コロナウイルスが日本に侵入してから概ね1年半が過ぎようとしています。 いつ終わるともしれないコロナウイルスとの戦いには誰もがストレスを感じ、疲れていると思います。昨年4月に入園や入学したこどもたちは、1年半の間、友達や先生とはマスク越しやPC画面越しでしかコミュニケーションをとれません。団体生活を始めコミュニケーションの技術をみがく大変重要なときに、多くの人々の顔の表情を見て感じとることができないこと、友達と自由にしゃべること、ふれあうことを禁止されていることは、今後のこどもたちの精神発達に何かしら大きな影響を与えているのではと危惧しています。もちろんコロナウイルスの感染拡大の防止は喫緊の課題であることは言うまでもありません。ただ大人の論理をこどもたちに無理に押しつけているのではないかといつも思っています。そんな思いの中おもちゃ使用やリハビリ訓練ごとにアルコール消毒をする職員に感謝している毎日です。 (9月14日 院長 服部 義) (続きを読む…) 乳児股関節脱臼 ドクターの部屋 2021.06.05 今回は私のライフワークでもある乳児(先天性)股関節脱臼について書きます。 乳児の異常股関節には、完全にはずれている脱臼、はずれつつある亜脱臼、はずれていませんが屋根の部分(臼蓋)が急峻な臼蓋形成不全があります。最近日本整形外科学会では、これら股関節脱臼・亜脱臼・臼蓋形成不全を合わせて、発育性股関節形成不全という難しい病名を使用しています。 2013年に日本小児整形外科学会は股関節脱臼の全国多施設調査を行いました。私は担当事務局として参加しましたが、全国で2年間に1295例の完全脱臼例が報告され、その約15%が1歳以後まで診断されていなかったという事実が判明しました。 1歳以後の発見では、入院治療が必要となり、治療期間は乳児期の診断と比べかなり長く、こどもと家族の負担はかなり大きくなります。また1歳以後ではせっかく脱臼を整復しても、臼蓋形成不全を残してしまい、将来的に痛みが出る股関節になってしまう心配もあります。股関節脱臼は早期診断・早期治療がとても大切です。乳児股関節脱臼の早期診断に被爆のない超音波検査は極めて有用です。 こどもの股関節が心配な方は、なるべく早期に超音波検査を受けていただくようおすすめいたします。 院長 服部 義 超音波検査を受ける「たけし」君 (続きを読む…)