乳児股関節脱臼 ドクターの部屋 2021.06.05 今回は私のライフワークでもある乳児(先天性)股関節脱臼について書きます。 乳児の異常股関節には、完全にはずれている脱臼、はずれつつある亜脱臼、はずれていませんが屋根の部分(臼蓋)が急峻な臼蓋形成不全があります。最近日本整形外科学会では、これら股関節脱臼・亜脱臼・臼蓋形成不全を合わせて、発育性股関節形成不全という難しい病名を使用しています。 2013年に日本小児整形外科学会は股関節脱臼の全国多施設調査を行いました。私は担当事務局として参加しましたが、全国で2年間に1295例の完全脱臼例が報告され、その約15%が1歳以後まで診断されていなかったという事実が判明しました。 1歳以後の発見では、入院治療が必要となり、治療期間は乳児期の診断と比べかなり長く、こどもと家族の負担はかなり大きくなります。また1歳以後ではせっかく脱臼を整復しても、臼蓋形成不全を残してしまい、将来的に痛みが出る股関節になってしまう心配もあります。股関節脱臼は早期診断・早期治療がとても大切です。乳児股関節脱臼の早期診断に被爆のない超音波検査は極めて有用です。 こどもの股関節が心配な方は、なるべく早期に超音波検査を受けていただくようおすすめいたします。 院長 服部 義 超音波検査を受ける「たけし」君 (続きを読む…) 装具室には… あそびの部屋 2021.05.24 こんにちは。 例年よりもだいぶ早く梅雨入りし、雨の日が続きますね。雨の音は1/fゆらぎと言って、癒し効果があると言われています。雨の音に耳を澄ませてゆっくりリラックスするのも良いですね。 さて今回は装具室の秘密を紹介します。 当クリニックではギプス巻き・カット、装具採型などなど様々な用途で装具室を利用します。でも、子どもにとって装具室って色んな器具があってちょっと怖かったり、処置の間退屈だったり、不安だったりしますよね。 装具室にはお子様が安心して処置を受けられるように保護者同伴で入って頂けますし、色々なおもちゃも揃えています。 そして実は大きなスクリーンがあって、映画館みたいに好きな映像を見ることもできます。装具室を利用するお子様だけに特別に利用して頂けます。 なるべく不安や恐怖を減らし、どのような医療行為も安心して受けることができるように、これからも様々な取り組みをしていきたいと思います。 HPS 大森 (続きを読む…) 診察風景 ナースの部屋 2021.05.17 皆さんは ‘’あそびと発達リハビリクリニック‘’ にどんなイメージをお持ちでしょうか? 先日、「こちらのクリニックは、普通のけがでも受診できますか?」と聞かれました。 ・・・もちろん、受診できます。 ねんざや打撲、骨折などのけがを負った他、 乳児検診や学校の運動器検診で二次検査を勧められたなど、気になる事がありましたらお気軽にご相談ください。 子どもの骨、関節、筋肉は成長するため大人の整形外科とは違った特徴があります。 できるだけ早く見つけて治療を開始することが大切です。 看護師 O (続きを読む…) リハビリの鈴木です リハビリの部屋 2021.05.06 こんにちは。 新学期も始まり1か月程度。めまぐるしい生活の変化からようやく一段落したくらいの時期かと思いますが、いかがお過ごしでしょうか。 僕も岐阜からの引っ越しなど、新しい環境に慣れるために忙しくしておりました。 そんな中、家で飼っているモルモットのソノちゃんは、いつも何食わぬ顔でゴロゴロしています。 毎朝ゲージを掃除する時に、代わりに出勤してくれないかと交渉するものの、いい返事をもらえた試しがありません。 食べて寝る以外何もしないソノちゃんですが、飼い始めた3年前と比べるとずいぶん成長しました。大好物の人参を切る音には敏感に反応してプイプイと主張し、シャンプーをするため洗面所に持っていくと大暴れするようにもなりました。 毎日何気なく同じ場所で寝転んでいるだけにも思えますが、日々の経験を少しずつ積み上げて学んでいるんだなぁと少し感心したりもします。 飼い主の顔よりも先に人参を切る音を覚えたソノちゃんですが、またそれも可愛らしく、これからの成長も楽しみです。 でも気が向いたら、一日くらい入れ替わってよね。 理学療法士 鈴木 (続きを読む…) 開院後1カ月 ドクターの部屋 2021.04.28 おかげさまで開院後1カ月が経過しました。 クリニックは、少しずつですが、地域のこどもたち、また障がい児・者に来院いただいています。 時間に追われていたあいち小児センターでの外来診療と異なり、少し余裕があり、こどもたちの表情や行動もゆっくり観察でき、また家族の希望や思いにも、今まで以上に耳を傾けることができる診療に満足しています。 あいち小児センターに通院されていたご家族からは、先生の顔がマスク越しではあるけど明るくなっているといわれ、以前の外来ではどんな顔をしていたのか反省しきりでした。 どんな健常児でも、また重症の障がい児・者でも、それぞれに相手に訴えようとする表情や仕草があります。医療者はそれをなるべく多く読み取って対応しなければ、と毎日の外来で思っています。65歳をこえた「じいさん医」ではありますが、医療に携わるものとして患者さんから教えられることはまだまだ多いと感じる毎日です。 院長 服部 義 (続きを読む…)